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お茶の楽しみ 青庵編-1

今から10年ちょっと前、代官山の青庵という茶室でのことです。おじさんたちが、裏千家の先生を囲んでお茶の手ほどきを受けていました。それぞれ社会的な地位のありそうなおじさんでしたが、全員素人なので、神妙かつ真剣でどこか滑稽な面白い茶会でしたね。男のお茶は堂々としていることが大切です、という先生の言葉を真に受けて、胡坐をかいて扇子でパタパタしているおじさんがいたり、生真面目に畳のヘリを踏まないようにするあまり、スキップしながら水指を運んでいるおじさんがいたりで、コントのような茶会が月2回繰り広げられていました。先生は、若き日の北見宗幸氏。素晴らしい先生でしたね。そんなおじさんたちでも1年後には、一通り薄茶を点てられるようになりましたから。私も、袱紗のさばきはおしぼりで練習して!と先生に言われて、せっせと居酒屋に通ったものです。


お茶の楽しみ1



かしこまってお茶を飲んでいると、味どころではないけど、お茶が美味しいと感じるようになったのは2年ほどたってからでしたね。多少気持ちに余裕が出て、ゆったりと構えられるようになってからです。それと、先生は常に本物を持ってきてくれたので、見る目が養われました。ある日、箱を開けながら、値段を言うのは無粋ですがといいながら、使わせてくれたのが200万円もする織部の茶碗でした。実は、茶法の大事さを分かったのはその時でした。何度も稽古するよりも、高級な茶器を使ってるみると一発で分かります。しっかり大事に扱うことがつまり茶法だと、自然にわかるからです。それがわかるのにやはり2年くらいかかったということなんでしょうね。


冬の日に早めに茶室に入ると、ひんやりした静かな空気の中で、炭の音だけがパチパチと静寂を破ります。大徳寺の住職が書いたと思われる掛け軸と、一輪の花。ほかに何もありません。東京の真ん中と思えない不思議なそして心地いい空間でした。ルーズではなく、張りつめたところだからいいのでしょうね。縛りがきついからかえって頭の中が自由になる、なんとなく私にそれを教えてくれたのはお茶の席だったような気がします。(ちょっと、哲学的になってしまいました)


2年前、久しぶりに代官山を散歩したとき、青庵はもうありませんでした。近所のマダムトキのマダムに聞くと、『何年も前になくなってしまいました』とのこと。ぽっかり大事なものを失ったようで残念でした。青春(40代半ばで青春はないか)の道標(古すぎか)をなくしたような気がして。同時に、果林もいいけど青庵もいいかな、と不謹慎なことを考えている私がいたりして。


今回は、ハーブと関係ないけどお茶つながりで茶室のお話でした。


では、また次回。


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