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片手を上げて眠る人

そろそろ店長日記を書かなければいけない時期なので、昨日から書き始めたんですね。11月26日(イイフロ)にちなんで、バスソルトの話を書こうと思って、塩やら合わせるハーブを用意してみたんですが、書きそびれているうちに今日になってしまいました。残念!ガッキーのドラマ(『逃げ恥』)と『砂の塔』を見ているうちに、時間がなくなってしまったんですよ。なにしろ、秋田はTBSが映らないので日にち遅れでネットで見るしかないんですね。バスソルトに興味のある方は、過去にも、ハーブの保存法海のしずくで触れていますのでそちらを参照ください。それにしても、今年の紅白は、星野源の歌のあとに、ガッキーと石田ゆり子が登場し、恋ダンスを踊るってのはどうでしょうかねぇ。盛り上がると思うなあ。

ところで、今日はちょっと怖い話です。1998年の春、私は急性腎不全で病院に担ぎ込まれました。春の公演が終わり、心身共になんかしっくりこなかった時期で、疲れ果てていました。入院先を紹介してくれた主治医は、気を使ってくれて1人部屋を予約してくれましたが、空いていなく2人部屋を私一人で使うことになりました。入院した日の夕方、看護師が来て、救急でどうしようもないので空いているベッドを使わせてもらえないか、と相談を受けました。私はこだわることもなかったので、2人部屋の入口に近いベッドに細身の中年男性が同室で使うことになりました。

千駄木にあったN医科大学付属病院は、当時病院の中に喫煙室が完備されていました。私が、点滴スタンドを引きずりながら喫煙室に行くと、同室の男性の親族らしい人が集まっていました。それとなく話を聞いていると、余命いくばくもない男性が自宅で療養していたがもう本当に危ない状態になり、今日病院に連れてきたという話をしていました。そこに医者が現れると、奥さんらしき人と小声で『8時半くらいでいいですか』『ええ、そのくらいには親族がそろいますから』という話が、聞こえました。嫌な予感がしましたが、喫煙室はほとんどその親族の人たちが占め、世間話風に葬儀屋の手配やお通夜、葬式の段取りなどを話しあっていました。私が病室に戻ると、男性と2人きりです。静けさの中に男性のちょっと苦し気なため息のような息遣いだけが聞こえます。

その時間が近づいてくると、私の隣のベッドには続々と人が集まりだしました。小声で元気づけるような声をかける人もいます。そのうち、医者が看護師を引き連れて現れ、カウントダウンが始まりました。奥さんと思しき人が、『パパ、パパ』と取りすがるように声をかけます。このうち声がだんだん大きくなり、『パァパ!パァパ』とあたりかまわず叫ぶようになり、最後には『しんちゃん、しんちゃん』という声が、響き渡りました。しんちゃんとは、独身時代の呼び方だったのでしょうか。ドラマの一コマのようなシーンが終わり、医者が小声で何かしゃべるのが聞こえ、みんながすすり泣きはじめました。全部終わったんだ、と私は理解しました。そして医者が去ると、ぞろぞろとみんなもあっという間に部屋から出ていきました。こうして、病室には私としんちゃんだけが取り残されました。まもなく係りの人が来て霊安室に連れていくか、葬儀屋が来るのか、それからゆっくりタバコを吸いに行こうと思っていました。1時間、2時間と待っても、誰も来ません。じっと天井を見つめながら寝ていると、隣からため息のような息遣いがまた聞こえてきそうな気がします。もしかして、一晩このまま放置されるのかなと不安になりました。消灯時間の過ぎた病室は、静寂に包まれ、私だけがしんちゃんと2人で固まっていました。

このまま待っていてもしょうがない、ちょっと喫煙室に行ってちょっと気分を変えようとベットから立ち上がったときのことです。隣のベッドに目を移すと、しんちゃんが片手を上げています。そして顔にかぶせてあった白い布が、ずれて顔が半分くらい見えています。死後硬直ということはもちろん知っていましたが、見るのははじめてです。まして、さっきまですがって泣いていた人たちが誰も知らないところで、こんな姿になっているなんて。私は、失礼と心の中で合掌しながら、ベッドのすぐわきを通りながら喫煙室に急ぎました。喫煙室には、もうもうとした煙の中に親族の人たちが、まだしんちゃんの思い出話をしていました。私は思わず、行ってあげなさいよと言おうかなと思ったとき、『葬儀社が来ました』という声がして、一斉に病室の方にみんなが移動を始めました。一瞬、ほっとしましたね。今夜はゆっくり一人で寝れるなと。部屋に帰ると、しんちゃんはベッドごといなくなっていました。ぽっかり空いた場所につい数時間前まで生きた人が寝ていたと思うと、不思議な気分になりましたね。

この話は実話です。というより、この日記に書いてあるほとんどのことが実話です。でも実際、2時間経った遺体が手を上げるのか、手を上げたまま亡くなったのか、たまたま白い布がずれ落ちたのか、亡くなってから首がちょっと動いたのかはわかりません。ずっと言いたくてしょうがない体験だったのですが、ホントなの?と言われるのが嫌で、封印していたのも事実です。翌日に私は1人部屋に移り、何事もなかったように入院生活が始まりました。これって病院ではよくある話なんでしょうかねえ。

*参照 片手を上げて眠るネコ(you tube)

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