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されど、われらが日々。 -1990年代

何気なく朝TVを見ていると、見覚えのある顔が。あれ、たしかG君かなと思っていると、確かにG君でした。秋田のローカル番組のことです。20年近く前、私の舞台に出演していたダンサーの1人です。今は、番組のコメンテーターとして活躍しているらしく、立派なおじさんになってそれらしくMCに相槌を打ったりしていました。大したもんだねと感心しながら、昔一緒に仕事していた人が頑張っている姿を見ると嬉しくなりましたね。


20年という年月は、若者をおじさんにし、おじさんを初老のちょっとくたびれた男にします。まさか、20年後にハーブ屋を営んでいるとは夢にも思いませんでした。あの頃は、私の周りの若い連中はみんなダンスにかかわる仕事に就きたく努力していました。ダンス教室の生徒だけでなく、ダンスを教えている者たちも、夜中の12時過ぎにはスタジオに集まり、朝方まで練習に励みました。冬でも、冷房をガンガンにつけ湯気が上がるような熱気です。舞台が近づくと、開け放たれた女子更衣室にミシンが並び、衣裳の製作に入ります。あの強烈なエネルギーは、何だったんだろうと今は思います。小屋(劇場)に入り、ゲネプロ(最後の通し稽古)を終えた時、みんなを舞台上の上におき、全員で舞台の成功を祈り黙とうをささげました。あの一体感は、私の独りよがりかもしれないけれど、演出家冥利に尽きるものでした。舞台に使う映像のためのロケ、パンフレット用の写真撮影のロケ、スタッフに無理をさせたセリや回り舞台を使った演出、特効、すべてを同時進行で行います。出演者だけでなくスタッフも含めて、本番という一つの目標に向かって全てを擲って突き進んで行きました。あの頃が懐かしいなんて言う気はありません。ただ、あれほどの濃密な時間を過ごせたのは私の人生の宝です。3年前のことすら忘れているのに、舞台を演出していた1986年から2003年は、何年の何月頃何をしていたかほとんど覚えています。何百人(いや千人以上か)という人と出会い、のべ何万人という人が舞台を見てくれました。


パンフ自分  


舞台のためにプロダンサー養成の研究所を作り、そこから300人以上の卒業生を出しました。みんながプロになれたわけではありませんが、ダンスの先生、ディズニーランドやUSJのダンサー、歌手のバックダンサーや振付師など、今でも活躍している人たちも大勢います。高校や大学を卒業してから、カタギの道を選ばず、こちら側の世界に飛び込んでくる若い人たちにどう応えていけるのかいつも悩んでいました。まして、学校の先生や大学を中退して入所してくる人も少なからずいました。ほとんど素人の人でも、ジャズ、バレエ、タップ、ヒップホップの基礎を教え、毎日腕立てや腹筋、ストレッチを繰り返しているうちに1年も経つと、ダンサーらしい体つきになり、足も180度開くようになっていきます。暇があれば、みんなであらゆるダンスのビデオを見ていました。例えば『ウエストサイド物語』のあのシーンのように、というと全員が分かっているといった具合に、イメージを統一したかったのですね。これはキリのない作業でしたから、まず授業では『ザッツダンシング』の全巻を見せましたね。昔のダンスを覚えさせるという意図ではなく、ものの考え方をわかってほしいという気持ちからです。フレッドアステアもマイケルジャクソンも、その時代のトップランナーです。でも、いま生きていたら、同じ踊りを踊るわけないでしょ。偉大なダンサーを理解するということは、今自分が何をやったらいいのかということを知ることでもあるわけですよね。それは、私自身にも言えることでした。20年近くの間、心身ともにすべてを振り絞るということの連続でした。そんな研究生と研究所卒業生、30人以上いたダンス教師、ダンス教室に通っている生徒からはオーディションで選び、春は本公演、秋は発表会と年2回の舞台をやっていました。


今、思い返すとなんて贅沢な日々だったんだろうと思います。いつだったかの公演パンフレットに舞台は始まりがあって終わりがない、と書いたことがあります。幕が上がった舞台は、その場にいた人だけにしか共有できないけれど、私の心の中で何度もくり返しくり返し波のように打ち寄せる。何度も繰り返すうちに大きなうねりになり、記憶の中で渦巻いています。今はさざ波になったけど、私にとって舞台とはそんなものでありました。


なんかうまく書けないなあ。いや、説明したりするものでもないんだけど。もっと、心身共に調子のいいとき、このネタはもう一回書きます。


今回はこの辺で。


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