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13年目の夏

先日、かみさんの13回忌の法要を行いました。今は私が秋田に在住し、参列者も高齢になってきたので、今回は秋田で東本願寺から住職を招き、身内だけで行いました。命日は、8月16日ですが、お寺さんの都合(旧盆に当たります)、秋田のホテル事情(竿灯で満室が予想されます)等で、7月21日になりました。亡くなった日と同じように、とても暑く日差しの強い1日でした。


法事2次会  

もう12年たったのか。私は参列者を前に、心の中で軽くため息をついていました。長男が、大学を辞め専門学校に入り、長女が大学1年生の夏です。あの日の早朝、お手洗いに行った帰りバタンと倒れる音がし、私と娘が駆け寄った時には息を引き取っていました。セカンドオピニオンに連れて行ったとき、はじめて終末医療も視野に入れた方がいいですよと言われ、いつかその日が来るだろうとは思っていましたが、まったく覚悟ができていませんでした。まさかと今日がその日だなんてという思いが強く、頭が真っ白になり、それからお通夜、葬式とあわただしく日々が過ぎました。昨日のことのようであり、はるか昔のことのようでもあります。みんなの顔を見ていると、それなりに12年の時間の流れを感じ、感慨もありました。


葬式が終わり、荼毘に付している間、不思議なことが起きました。待合室で、それぞれがお茶を飲んだり、故人の思い出を話したりしているとき、私、息子、娘の3人はソファに並んで座っていました。そのとき、目の前の茶碗がスーと動き、私たちの前に止まりました。直感的に、あ、ママだと2人とも思ったそうです。私も、はっきりとかみさんが来たと感じました。後で聞いたら、そのシーンは誰も気づかなかったというのですが。


気丈にも今まで涙一つ見せなかった娘が立ち上がり、火葬場の中庭に走り出しました。息子も追うように走り出します。私も後を追うと、火が付いたように泣く娘の姿がありました。息子も顔をくしゃくしゃにして傍らにたたずんでいます。焼けるような猛烈な日差し、これでもかと降り注ぐ蝉の声、肩を寄せるように立ち尽くす私たち。私は、この光景を映画のラストシーンのようにドローンにカメラを乗せ、俯瞰で撮りながら上昇していくイメージで記憶しています。後で思い出すたび、これってかみさんの目線だよなと思ったりします。


『これから私が日沼家のお母さんになる』と宣言し、娘は塾の講師などの割のいいバイトを辞め、近所の居酒屋でバイトを始めました。私の生活も一変しました。今までほとんど行ったことがないスーパーで買い物をし、娘に倣い料理も作るようになりました。半年も過ぎるといつの間にか、家事の中心は私になっていきましたが、娘の宣言の心意気は今も感謝しています。大切なものは失ってはじめてわかるといいますが、かみさんをなくして本当に大事なものは何かを知ったような気がします。文句を言わず、私を信じ、何をするにも全力で応援してくれたのは、かみさんだけでした。おかげで、かなり立派な主夫になれました。もう、12年も毎日のように料理を作っていますから。


もうすぐ本当の命日がやってきます。

暑い命日になりそうです。 合掌。


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